を択《えら》み得た者は農である。

       二

 農は神の直参《じきさん》である。自然の懐《ふところ》に、自然の支配の下に、自然を賛《たす》けて働く彼等は、人間化した自然である。神を地主とすれば、彼等は神の小作人である。主宰《しゅさい》を神とすれば、彼等は神の直轄《ちょくかつ》の下に住む天領《てんりょう》の民である。綱島梁川君の所謂「神と共に働き、神と共に楽む」事を文義通り実行する職業があるならば、其れは農であらねばならぬ。

       三

 農は人生生活のアルファにしてオメガである。
 ナイル[#「ナイル」に二重傍線]、ユウフラテ[#「ユウフラテ」に二重傍線]の畔《ほとり》に、木片で土を掘って、野生の穀《こく》を蒔《ま》いて居た原始的農の代から、精巧な器械を用いて大仕掛にやる米国式大農の今日まで、世界は眼まぐろしい変遷を閲《けみ》した。然しながら土は依然として土である。歴史は青人草《あおひとぐさ》の上を唯風の如く吹き過ぎた。農の命《いのち》は土の命である。諸君は土を亡ぼすことは出来ない。幾多のナポレオン[#「ナポレオン」に傍線]、維廉《ヰルヘルム》、シシルローヅ[#「シ
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