、都の邸《やしき》の眼かくしにされたのもある。お百姓衆の鍬《くわ》や鎌《かま》の柄《え》になったり、空気タイヤの人力車の楫棒《かじぼう》になったり、さま/″\の目に遭うてさま/″\の事をして居る。失礼ながら君の心棒も、俺の先代が身のなる果だと君は知らないか。俺は自分の運命を知らぬ。何れ如何《どう》にかなることであろう。唯其時が来るまでは、俺は黙って成長するばかりだ。君は折角眼ざましく活動し玉え。俺は黙って成長する」
 云い終って、一寸|唾《つば》を吐《は》いたと思うと、其《それ》はドングリが一つ鼻先《はなさき》に落ちたのであった。夢見男は吾に復えった。而《そう》して唯いつもの通り廻る水車と、小春日に影も動かず眠った様な樫の木とを見た。
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     農

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我父は農夫なり  約翰《ヨハネ》伝第十五章一節
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       一

 土の上に生れ、土の生《う》むものを食うて生き、而して死んで土になる。我儕《われら》は畢竟土の化物である。土の化物に一番適当した仕事は、土に働くことであらねばならぬ。あらゆる生活の方法の中、尤もよきもの
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