《ごぜん》は如何《どう》だ。如何に無能か性分か知らぬが、君の不活動も驚くじゃないか。朝から晩までさ、年が年中|其処《そこ》にぬうと立ちぽかァんと立って居て、而して一体お前は何をするんだい? 吾輩は決してその自ら誇るじゃないが、君の為に此顔を赧《あこ》うせざるを得ないね。おい、如何《どう》だ。樫君《かしくん》。言分《いいぶん》があるなら、聞こうじゃないか」
云い終って、口角沫《こうかくまつ》を飛ばす様に、水車は水沫《しぶき》を飛ばして、響も高々と軋々《ぎーいぎーい》と一廻り廻った。
其処に沈黙の五六秒がつゞいた。かさ/\かさ/\頭上に細い葉ずれの音がするかと思うと、其れは樫君が口を開いたのであった。
「然《そう》つけ/\云わるゝと、俺《わし》は穴《あな》へでも入りたいが、まあ聞いてくれ。そりゃ此処に斯うして毎日君の活動を見て居ると、羨《うらや》ましくもなるし、黙《だま》って立って居る俺は実以て済まぬと恥かしくもなるが、此れが性分だ、造り主の仕置だから詮方《しかた》は無い。それに君は俺が唯遊んで昼寝《ひるね》して暮らす様に云うたが、俺にも万更仕事が無いでもない。聞いてくれ。俺の頭《あた
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