供は皆小石を積んで日を過《すご》す。ピラミッドを積み、万里の長城を築くのがエライでも無い。村の卯之吉が小麦|蒔《ま》くのがツマラヌでも無い。一切の仕事は皆努力である。一切の経営は皆遊びである。而して我儕《われら》が折角骨折って小石を積み上げて居ると、無慈悲の鬼めが来ては唯一棒に打崩す。ナポレオンが雄図《ゆうと》を築《きず》くと、ヲートルルー[#「ヲートルルー」に二重傍線]が打崩す。人間がタイタニックを造って誇り貌《が》に乗り出すと、氷山《ひょうざん》が来て微塵《みじん》にする。勘作が小麦を蒔いて今年は豊年だと悦んで居ると、雹《ひょう》が降《ふ》って十分間に打散らす。蝶よ花よと育てた愛女《まなむすめ》が、堕落書生の餌《えば》になる。身代を注《つ》ぎ込んだ出来の好い息子が、大学卒業間際に肺病で死んで了う。蜀山《しょくさん》を兀《は》がした阿房宮が楚人《そびと》の一炬《いっきょ》に灰になる。人柱を入れた堤防が一夜に崩れる。右を見、左を見ても、賽の河原は小石の山を鬼に崩されて泣いて居る子供ばかりだ。泣いて居るばかりなら猶《まだ》可《よ》い。試験に落第して、鉄道往生をする。財産を無くして、狂《き
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