準2−4−39]※[#「口+禺」、第3水準1−15−9]《げんぎょう》する様に跳《は》ね上って居たが、其れさえ最早見えなくなった。
「呀《あっ》、縁《えん》が」
と妻《つま》が叫んだ。南西からざァっと吹かけて来て、縁は忽《たちまち》川になった。妻と婢《おんな》は遽《あわ》てゝ書院の雨戸をくる。主人は障子、廊下の硝子窓《がらすまど》をしめてまわる。一切の物音は絶えて、唯ざあと降る音、ざあっと吹く響《おと》ばかりである。忽|珂※[#「王+黎」、第3水準1−88−35]《からん》と硝子戸が響《ひび》いた。また一つ珂※[#「王+黎」、第3水準1−88−35]と響いた。雹《ひょう》である。彼はまだ裸であった。飛び下りて、雨の中から七八つ白いのを拾った。あまり大きなのではない。小指の尖《さき》位なのである。透明、不透明、不透明の核《かく》をもった半透明のもある。主人は二つ食った。妻は五六個食った。歯が痛い程冷たい。
 座敷の縁は川になった。母屋《おもや》の畳は湿《しと》る程吹き込んだ。家内は奥の奥まで冷たい水気がほしいまゝにかけ廻《ま》わる。
「あゝ好《い》い夕立だ。降れ、降れ、降れ」
 斯う呼わ
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