ンソバギャアノベイロシャノにするか」
「ジンバラハラバイタァが後生《ごしょう》になるちゅうじゃねいか」仁左衛門さんが真面目に口を入れた。「辰さん、お前《めえ》音頭《おんどう》をとるンだぜ」
「※[#「口+云」、第3水準1−14−87]《うん》、乃公《おら》が音頭とるべい。音頭とるべいが、皆であとやらんといけねえぞ。音頭取りばかりにさしちゃいけねえぞ――ソラ、ジンバラハラバイタァ」ガーンと鉦が鳴る。
「ジンバラハラバイタァ――」仁左衛門さんが真面目について行く。多くは唯笑って居る。
「いかん/\、今時の若けい者ァ念仏一つ知んねえからな。昔は男は男、女は女、月に三日宛寄っちゃ念仏の稽古したもンだ」辰爺さん躍起《やっき》となった。
「教えて置かねえからだよ」若い者の笑声が答える。
「炬火《たいまつ》は如何《どう》だな。おゝ、久《ひさ》さんが来た。久さん/\、済まねえが炬火を拵《こさ》えてくんな」
 唇の厚い久さんは、やおら其方《そち》を向いて「炬火かね、炬火は幾箇《いくつ》拵えるだね?」
「短くて好《え》えからな、四つも拵えるだな。そ、其処の麦からが好いよ」
「※[#「口+云」、第3水準1−
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