礼のはがきが来る。

       十二

 兵隊さんの出代りを村の一年最後の賑合にして、あとは寂《さび》しい初冬の十二月に入る。
「稼収《かおさまって》平野濶《へいやひろし》」晩稲も苅られて、田圃《たんぼ》も一望ガランとして居る。畑の桑は一株ずつ髻《もとどり》を結《ゆ》われる。一束ずつ奇麗に結わえた新藁《しんわら》は、風よけがわりにずらりと家の周囲《まわり》にかけられる。ざら/\と稲を扱《こ》く音。カラ/\と唐箕車《とうみぐるま》を廻す響《おと》。大根引、漬菜洗い、若い者は真赤な手をして居る。昼《ひる》は北を囲うた南向きの小屋の蓆《むしろ》の上、夜は炉《ろ》の傍《はた》で、かみさんはせっせと股引、足袋を繕《つくろ》う。夜は晩くまで納屋《なや》に籾《もみ》ずりの響がする。突然《だしぬけ》にざあと時雨《しぐれ》が来る。はら/\と庇《ひさし》をうって霰《あられ》が来る。ちら/\と風花《かざはな》が降る。北から凩《こがらし》が吹いて来て、落葉した村の木立を騒々しく鳴らす。乾いた落葉が、遽《あわ》てゝカラカラと舞い奔《はし》る。箒を逆《さかさ》に立てた様な雑木山に、長い鋸《のこ》を持った樵夫《
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