彼※[#「濁点付き片仮名「ヱ」」、1−7−84]ランダの一夜! 彼※[#「濁点付き片仮名「ワ」」、1−7−82]ロンカ[#「※[#「濁点付き片仮名「ワ」」、1−7−82]ロンカ」に二重傍線]の水浴! 彼|涼《すず》しい、而《そう》して木の葉の網目《あみめ》を洩《も》る日光が金の斑点《はんてん》を地に落すあの白樺《しらかば》の林の逍遙《しょうよう》! 先生も其処に眠って居られる。記憶から記憶と群がり来って果しがない。嗟《ああ》今一度なつかしいヤスナヤ、ポリヤナ[#「ヤスナヤ、ポリヤナ」に二重傍線]に往って見たい!
敬愛する夫人よ。私は長い手紙を書いてしまいました。最早こゝでペンを擱《さしお》かねばなりません。願わくば神あなたの寂寥《せきりょう》を慰めて力を与え玉わんことを。願わくばあなたの晩年が、彼|露西亜《ろしあ》の美《うる》わしい夏の夕《ゆうべ》の様に穏に美しくあらんことを。終《おわり》に臨《のぞ》み、私の妻もあなたの負《お》われ負わるゝ数々《かずかず》の重荷に対し、真実御同情申上げる旨、呉々《くれぐれ》も申しました。
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一九一二年 七月三日
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