通うて行くので女主人が気に逆らわぬように三野村のところへ遊びにゆくのもよいが両方の身のためにならぬからあまり詰めて行かぬようにしたがよいといっていい含めたのであった。するとちょっと見はおとなしいようでも勝気のお園はそれが癪《しゃく》に触ったといって一月ばかりも商売を休んでいたことがあった。その後も三野村のことで時々そんなことがあった。女主人と同じように彼女の母親もそんな悪足《わるあし》のような男がついているのをひどく心配して二人の仲を切ろうとしていろいろ気を揉《も》んでいた。それでしばらく三野村との間が中絶していたこともあったが、男の方でどうしても思いきろうとしなかった。いろいろに手をかえて母親の機嫌を取ろうとすればするほど母親の方では増長して彼をさんざんにこき下ろすのであった。そして一度でも文展に入選したら娘をやってもよいとか、東京から伴《つ》れて来ている女と綺麗に手を切ってしまえば承諾するとか、その場かぎりの体《てい》の好いことをいっていた。そして母親や女主人の方で二人の間を堰《せ》くようにすればするほど三野村の方で一層躍起になってお園が花にいっている出先までも附き纏《まと》うて商
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