れ》を思っていたか。その人間などはまだそうして傍に置いとくことが出来ただけでも埋め合せがつく」私は溢《こぼ》すようにいうのであった。
「三野村さんのようここでお園さんが傍にいるところでいうてはった。……頼りない女や。私が京都にいるからこうしているようなものやけど、東京の方にでも往ってしまえばそれきりやいうて、始終頼りない女やいうてはりました」
「ほんとにそのとおりだ。そしてお園は傍で聴いていて何というのです」
「お園さんただ黙って笑い笑いきいているだけどす。……ほて、そんなに惚れているくせにまた二人てよう喧嘩をする。喧嘩ばかりしていた。三野村さんよう言うてはりました。姉さん、ああして私のところへ遊びに来てくれるのはええが、顔さえ見ればいつでも喧嘩や。そしてしまいにはやっぱり翌日《あくるひ》までお花をつけることになるから来てくれるたびに金がいって叶《かな》わんいうてはりました。お園さんの方でもほんよう喧嘩をして戻ってかというのに、やっぱり戻らない、喧嘩をしながらいつまで傍についている」
 そういって、女主人がなおつづけて話すのでは、ずっと先のころひとしきりあまりにお園の方から男のところに
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