内に、わたしの妹のようにしている可愛い芸者がひとりあるのっせ」というから、
「へえ、どんな芸者」と訊くと、
「そりゃ可愛い芸者。まだ十四どっせ」
「十四になる芸者、そんな若い芸者があるの。舞妓《まいこ》じゃないの」
「ちがいます。芸妓どす」
「おかしいなあ。なぜ舞妓にならないんだろう」
「さあ、そなことどうや、わたしようわけは知りまへんけど、初めから芸者で出てはります。そりゃ可愛《かわい》かわい人どっせ、あんたはんに一遍|招《よ》んでもろとくれやすいうて、わたし内の姐《ねえ》さんから頼まれていました」
 そういうので、招んでみると、女のいうとおりまだ子供の芸者であった。それから後も時々女と一緒に来て方々外に連れて歩いたりしていたが、あれからずっと見なかったので、まるで別な女になっていた。私は、自分の女のことを、あまり正面から女主人に切り出すのをきまりわるく思っていたところへまたそんなほかの者が傍に来たのでいよいよいい出しかねていたが、若奴とちょうどそんな話になったので照れ隠しのように、
「若奴さん、ほんとに美《い》い芸妓さんになったなあ」と私はまたつくづくとその容姿《すがた》に見入りな
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