、それもゆるゆると消えて行くのであつた。
かうして、びつくりするほど冴えた、明い日がやつて来た。いや、それは昨日も一昨日もその前も、かういふ日がつゞいてゐた。だのに、やはり、今日又新しく特別にとび切りにやつて来たとその度に思はせるほどの快い日だつた。どこもかしこも透き通るやうで、はつきりし、乾いた空気がふはりと頬のあたりに触れ、どこからかつんとする気持のいゝ山の匂がやつて来た。
その中を、子供達はまだ朝飯がすまないうちから通りへ出て、軒から軒へ筋交《すじか》ひに張りわたされた小旗の下を駆けまはり、叫び声を上げ、蝋燭に火の入らない日の丸提灯が伸び切らないで尻を持ち上げたまゝぶら下つてゐるのを眺め、家ごとに定紋入りの大提灯が板屋根のついた台と共に立てられ、鳳鳳のついた万歳旛《ばんざいばた》とがずらりと列をなして並んだ様を片目をつぶつてどこまでつゞいてゐるかすかし見たり、一々数をかぞへてゐたりしてゐた。そして、犬までが子供達のさわぎに釣られて走り、きよときよとし、又走り出してゐた。
午近くなつて空気は温められてどんどん上昇し、どこも冴えてきらめき、何か軽い気を遠くさせるやうな気配は、あ
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