は快活などこか家庭的な確《し》つかりさといつた風なものを現して、この一日造りの漁師達を眺めた。
「あら、ほんとうに沢山とれたんですね」
 房一の魚籠《びく》をのぞいて、盛子はびつくりしたやうに叫んだ。
「徳さん。追鮎は君のといつしよに活かしといてもらはうか――どつこいしよ」
 房一は立ち上つた。すると、着古しのワイシャツから下はズボンなしの毛むじやらな肥つた円つこい肉のついた脚がによつきりと出た。さつき河の中に入つたときに、ズボン下を脱いでしまつたのだ。
「いゝ恰好で!」
 盛子は笑ひながら顔を紅らめた。
「何んの。面倒だからこのまゝ行かう」
 房一はズボン下を円めて魚寵といつしよにぶら下げながら、丸出しの肥つた足でぴよいぴよい河原石の上を先に立つて歩いた。

 ごろごろする石の上を下駄ばきでは歩きにくかつた。房一は川から上つたまゝの濡草履をはいてゐるので速い。盛子は空《か》らになつた追鮎箱を手にして後からついて行つた。
「ねえ!」
 築堤へ登る段の所で、長い竿を持ち扱ひにくがつて立停つた房一の背後から、盛子はふいに呼んだ。
「うん」
 生返事をしてそのまゝ登つて行く。
 が、登り切つ
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