ネル》!』
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モハメッドのために!
モハメッドのために!
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 と祈るように私語《ささや》くのは、盲目の老婆の手を引いた、ベズイン族の少女である。両頬に三本細く文身《いれずみ》してるのが、青い鬚のように見える。「モハメッドのために」幾らかくれと言うのだ。乞食には違いないが、それは表面で、内密には、即座に物好きな旅行者の求めに応ずる。道理で、乞食のくせに、ここらの住民のどれよりも小ざっぱりした服装をして、顔には白粉のようなものを斑《まだ》らに叩いていた。
 この辺一帯がその町なのである。
 よろめいて立つ塔婆《パゴダ》の並列。家々の窓から覗く土耳古宮廷妾《オダリスクス》と王公側室《サルティナス》と回教女《ファティマ》。何と貧しい淫楽の巷であろう! 植民地兵営の喫煙室みたいな前庭。その奥に、薔薇色の壁紙に広告用の掛け暦と、罅《ひび》の入った鏡とを飾った客間。全然生の興味を欠いた女たちの顔。洞穴のようにうつろな胸、睫毛《まつげ》のない眼、汚点だらけの肌、派手なKIMONO、羅物《うすもの》の下着《シミイズ》、前だけ隠すための無花果《いちじく》の葉の
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