ェてえ!
おぶりがど!
おぶりがど!
おぶりがど!
[#ここで字下げ終わり]
節《ふし》くれ立った指に、幾つも並べて嵌《は》めた十八金の大指輪――これは伊達《だて》ばかりじゃない。めり[#「めり」に傍点]拳を喰《くら》わす時の実用のため――が、あちこちに毒々しくちら[#「ちら」に傍点]ついて、ぺっ[#「ぺっ」に傍点]と唾をして靴でこすりながら――。
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えっ! |腹の虫を殺してやれ《パラ・マタアル・ウ・ビッショ》!
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誰もかれも、この呪文を合図に、威勢よく「燃える水」を流しこむのだ。そうだ! この強いやつで腹の虫を殺せ!
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えっ! ぱら・またある・う・びっしょ!
えっ! ぱら・またある・う・びっしょ!
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とん、とんと酒台に鳴るから[#「から」に傍点]こっぷの音。
――こう明るいところへ出てみると、リンピイ・リンプは若いくせに老人《オウルド・マン》だった。全く、ちょっと年齢のはっきりしないリンピイだった。ひどく老《ふ》けても見えたし、そうかと思うとかなり若いようでもあったが、たぶん四十五、六
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