_]を着て、草と好天気と羊を追ってぶらぶら[#「ぶらぶら」に傍点]してるうちにやっぱり誰かに殺され、こんどの第三人目は、やっと三角帽を戴き毛皮つきいんばねす[#「いんばねす」に傍点]に手を通そうとしているところで、第四人目に楽しく殺害されて往き、この第四人目は――どうも限《き》りがないが、つまり、その度に飼主が変るんだけれど、羊のむれは羊の群らしくそんなことに関係なく、しじゅう汽車に驚いて集《かた》まってみたり、池に直面して凝議《ぎょうぎ》したりなんかばっかりしてる。
 SAY! 古く粗雑に幸福な影絵の国ほるつがる。
 お前は「欧羅巴《ヨーロッパ》のKOREA」だ。絢爛の色褪《いろあ》せた絵画織物《テベストリー》だ。Poogh !
[#ここから2字下げ]
|大地のおわるところ《オンデ・テルミナ・ア・テアラ》
|大海の始まるところ《オンデ・ア・コミエンサ・ウ・マアル》
[#ここで字下げ終わり]
 ――若いころ香水の朝風呂へ這入って金の櫛《くし》で奴隷に髪を梳《す》かせた史上の美女が、いま皺《しわ》くちゃの渋紙に白髪《しらが》を突っかぶって僕のまえによろめいてる。Why should I 
前へ 次へ
全79ページ中25ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
谷 譲次 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング