獅盾煤@take my hat off to thee?
そうしたら「|大地の終るところ《オンデ・テルミナ・ア・テアラ》|大海の始まるところ《オンデ・ア・コミエンサ・ウ・マアル》」にこの海港リスボンだった。
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|今日は《ボタアル》!
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その古趣と不潔と野蛮と俗臭の小首府、神様と文明に忘れられたLISBOAが、こうおりぶ[#「おりぶ」に傍点]油くさい嗄《か》れ声を発して僕の入市に挨拶した。
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|こんちは《ボタアル》!
|こんちは《ボタアル》!
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何と感謝すべきこの放浪性! その瞬間から僕はりすぼんとリスボンの古趣・不潔・無智・野蛮・神秘・俗悪のすべてを呼吸して、雑音と狭い|曲りくねった街路《ワインディング・ストリイツ》の迷宮へ深くふかく分け入った。そして当分出て来なかった。だから君、さっきから何度も保証したとおり、これはみんな、そのあいだにおける僕――ジョウジ・タニイ――のまんだりん[#「まんだりん」に傍点]仮装舞踏曲であることが一層うなずけよう。BAH!
年老いた両棲動物がリスボンだ。か
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