T点]を上り出したのだ。がっでいむ!
 はろう! せいの高い船だ。昇っても昇っても上へ届かないから、僕は、出張船商人《シップ・チャンドラア》としての僕の到来を宣言して、now, 潮風にひとつ唄った。誰か聞きつけて出て来るだろう。
[#ここから2字下げ]
Carrrry mee
Cheerfulliee
Over de sea !
[#ここで字下げ終わり]
『|誰だ地獄《フウダ・ヘル》――!』
 果たしてらんかん[#「らんかん」に傍点]から植民地英語の声が覗いた。
『船上出張商人《ヴェンデドル・デアポルド》!』
『EH? WHAT?』
『支那公《チンキイ》Long Woo。』
『Well, 俺は呪われた。その支那的《チンキイ》ロン・ウウがまた何の用で上船しようてんだ。HEY?』
『船商人《シップチャン》――旦那《サア》?』
『いよいよ俺は呪われた。何を持って来た一体?』
『AYE! いろんな物、sir,色んなもの。あなたを悦《よろこ》ばすべきたくさんの品。私はたしかにあなたを、たった六|片《ペンス》で冷たく打ち倒すことも可能でしょう。ただちょっと実物さえ御覧になれば――。』
『|よし《ラ
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