鴻塔hンに一人ぽっちの、小野さんは若々しい日本青年だ。
 小野さんは下宿を探している。
 自分では気がつかないながら、小野さんはどこかにて「待遇のいい永久の下宿」をもとめているのだ。

   G・B・S

 ジョウジ・バアナアド・ショウは、樹間《このま》の白い小砂利道を踏んで私たちのまえまでくると、そこで立ちどまって、ポケットからはんけち[#「はんけち」に傍点]を掴み出してちんと鼻をかんだ。
 碁盤縞《ごばんじま》のノウフォウク・ドレスに、無帽。長い赤い顔の上下に髪と鬚《ひげ》が際立って白い。互いちがいに脚を絡ませるような歩き方、笑っている眼、太い含み声だ。
『仕事がありますので、ながくはお話し出来ません。ほんの五分、いや三分――さかんに時計を見るかも知れませんが、どうか気をわるくなさらないように。決してもうお帰り下さいというつもりで時計を出すのではありません。帰るのは私のほうです。時間が切れれば、勝手に廻れ右をして家のなかへ這入るばかりですから――さあ、何からお話しましょう――。』
 こう言ってショウは、ちょっと首を傾《かし》げて考えこむふうをした。
 観衆――それとも聴衆といおうか
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