ツ能性に富んだひとりの有力な容疑者があった。下宿の一人息子、悪たれ小僧のレムである。下宿といっても、これはごく家庭的な小さな家で、建物はかなり大きかったけれど、止宿人は私たち夫婦きりだったから、食事なんかも家の人とみんな一しょにしたためて、来て間もなくだったが、私たちはもう自分の家のように勝手に振舞ってくらしていた。家族というのは、ホルボウンの家具工場に出ている四十あまりの好人物の主人と、よく私たちの世話をしてくれる、几帳面すぎるほど几帳面なその主婦と、それに夫婦のあいだに、レミヨンという七つになる男の子があるだけだった。レムは、年齢のわりに身体《からだ》の小さな、非常に病身な児《こ》で、そのせいかまだ学校へも行かずに、うちにぶらぶら[#「ぶらぶら」に傍点]していた。独りっ子のうえに、からだが弱いからとあって親がしたい放題に甘やかしておくものだから、レムは、意気地がないくせに妙に鼻っぱしのつよい、しじゅう顔いろを変えてはしゃぎ[#「はしゃぎ」に傍点]切っている、おちつきのない子だった。私たちにもはじめはへん[#「へん」に傍点]に人見知りをしていたが、間もなく、ことに彼女とすっかり仲よし
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