したわが舎利弗こそ、実に解空《げくう》第一の人であり、智慧第一の人であったのです。この智慧第一の舎利弗を対告衆《あいて》として、釈尊は「舎利子よ」と、いわれたのです。そして「色は空に異ならず、空は色に異ならず」とて、空の真理を諄々《じゅんじゅん》と説かれていったのです。
真理のことば[#「真理のことば」は太字] 因縁! それはまことに平凡な古い語です。しかし、それは、たしかに、平凡ではありますが、どうしても疑うことのできない宇宙の真理[#「真理」に傍点]です。今日私どもが思いあまって、「何事も因縁だ[#「何事も因縁だ」に傍点]」と諦《あきら》めるそのことばの中には、私どもの容易に説明し得ない、深い真理が含まれているのです。
「因縁を知ることは仏教を知ることだ[#「因縁を知ることは仏教を知ることだ」に傍点]」
と、古人もいっていますが、たしかにそれは真実《ほんと》だと思います。釈尊は、実にこの「因縁の原理」、「縁起の真理」を体得せられて、ついに仏陀《ぶっだ》となったのであります。菩提樹下《ぼだいじゅか》の成道《じょうどう》、というのはまさしくそれです。げに、わが釈尊をして、真に仏陀た
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