ることも、無駄《むだ》なことですが、楽観することも慎まねばなりません。油断と無理とはいつの時代でも禁物です。
なんでもない、つまらぬことに悲観して、もう、身のおきどころがないなどと、世をはかなみ[#「はかなみ」に傍点]、命を捨てることは、ほんとうにもったいない話です。行き詰まって、絶体絶命の時こそ「ちょっと待て[#「ちょっと待て」は太字]!」です。「|立ち止まって視よ《ウエイト・アンド・シイ》」です。すべからく目を翻《ひるがえ》してみることです。思いかえすこと、見直すことです。心を転ずることです。「転心の一句」こそ、行詰まりの打開策です。「裸にて生まれてきたになに不足」の一句によって、安田|宝丹《ほうたん》翁は、更生したといわれています。事業に失敗したあげ句の果て、もう死のうとまで決心した彼は、この一句によって復活しました。そしてとうとう後の宝丹翁とまでなったと聞いています。「転[#「転」は太字]」の一字[#「の一字」は太字]こそ、まさしく更生の鍵《かぎ》です。禍を転じて福となす(転禍為福《てんかいふく》)といわれているように、私どもはこのたびの敗戦を契機として、ぜひともこの「転」の
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