色い、かわいい雀の子が、バタバタと小さい羽根を、羽ばたいているのです。おそらく、枝から風にゆられて、落ちてきたのでしょう。これを見つけた犬は、今にもその子雀を喞《くわ》えようとします。すると、にわかにどこからともなく親雀が飛んで来て、まるで小石でも投げるように、犬の口先きへ落ちてきたのです。この勢いに、さすがの犬もおどろいて、後へ退くと、雀はまた元のように飛び去りました。しかし、犬がまた喞えようとすると、再びまた飛びかかってくるのです。こうして母の雀は、幾度も幾度も必死になって、子雀をかばいましたが、しまいには、かわいそうに、もう飛び上る勇気もなくなって、とうとう恐ろしさと、驚きのために、子雀の上に折り重なって、死んでいったというのです。
子雀に忍びよった、恐ろしい怪物を見つけた瞬間、親の雀は、すでに自分の命を忘れてしまったのです。そうして必死の覚悟をもって、勇敢にも怪物に抵抗して戦ったのです。しかも、なお死んでからも、子雀をとられまいとして、親の雀は、その子雀の上に、倒れたのです。生まれて間もなく実母に死に別れた私は、この物語を読んだ時には自然、涙がにじみ出ました。いまもこうして話
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