の説明の方法においてこそ、多少異なっている点もありますが、いずれも、大乗仏教であるかぎり、その根本は一つだといわねばなりません。
 子をもって知る世界[#「子をもって知る世界」は太字] 「世を救う三世《みよ》の仏の心にもにたるは親のこころなりけり」とて、古人は仏の心を、親の心にくらべて説いております。まことに「子をもって知る親の恩」で、子供の親になってみると、しみじみ親の心が理解されます。だが、子に対する親の限りない愛情は、独《ひと》り人間にのみ局《かぎ》っていないのです。あのツルゲネーフの書いた「勇敢なる小雀《こすずめ》」という短篇があります。そのなかにこんな涙ぐましい話が書いてあります。
 勇敢なる雀[#「勇敢なる雀」は太字] ツルゲネーフが、猟からの帰り途《みち》を歩いていると、突然、つれていた猟犬が、何を見つけたか、一目散に駈《か》け出して、森の中へ入って行きました。まるで犬は獲物を嗅《か》ぎつけた時のように、蹲《うずく》まりながら足を留めて、いかにも要慎《ようじん》深く、忍んで進みました。ツルゲネーフは、不思議に思って、急いで近寄ってみると、道の上には、まだ嘴《くちばし》の黄
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