は他人の見たという夢の話を聞くことに一向興味が持てない。夢はあまりに夢のような話であり過ぎる。しかしながら自分の夢を語ることはかなり面白いものであると見えて、昨夜見た夢をくどくどと語る人は多い。
 私は今自分の見た夢を語って暫時、迷惑を与えようと思う。食べ過ぎた晩、過労の夜、神経がすこぶる衰えた時に見て、私の記憶に残っている夢の数は多いがそのうちの二、三の馬鹿らしきものを選ぶ。

     A
 私の庭で私は大園遊会を催した。集まるものは主として画家であり、ことに二科の会員はみな、出席していた。庭の大きな池には花見の船が浮かび、おでんが煮えつまりつつあった。
 就中、一艘のボートには大勢の楽手がいて、素晴らしい行進曲を奏ではじめた。
 それがとてもやかましいので少しうるさくなったから、私はやかましいぞと、どなった時、本ものの私は丸の内ホテルの八階のベッドの中に寝ていた。そして戸口を誰かが調子を揃えてドンドンガンガン囃し立てているのだ。開けてみると黒田重太郎、国枝金三両君がちゃんと靴をはいてさァ早く支度をせんか、と私をせき立てていた。

     B
 一台の単葉飛行機が銀色に輝きつつ都
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