に思える訳でもあるけれども、それが事実はさようにうまく成立っていない処が、南仏と芦屋との悲しい相違である。
南|仏蘭西《フランス》一帯にかけて生い茂っている処のオリーブの林は如何に多くの画家を悦ばしている事か知れない。その墨の交じった淡緑色と、軟かく空へ半分溶け込んで行く色調は随分美しい。セザンヌやルノアルの風景の半分はオリーブの色調で満たされているといっていいかも知れない。
この芦屋にはオリーブの代りに黒く堅い松の林の連続がある。松も悪いともいえないが、オリーブのみどりに比べると色彩が単調で黒過ぎる、葉が堅い。従って画面が黒く堅くなる。
地面は六甲山から流れ来る真白の砂地である。白と堅いみどりの調和は画面に決して愉快な調和を与えない。その白い砂地に強い日光が照りつけ、松の影が地に落ちるとただ世界はぎらぎらとまぶしく光るだけである。大概の画かきはこれは御めんだといって逃げ出す有様を私はしばしば見る。
それから風景としての重大な要素である処の建築が文化住宅博覧会であるのだ。或る一軒の家は美しくとも、その両隣りがめちゃなのだ。すると、悉《ことごと》くめちゃと見えてしまう。
その家
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