せたものだから、遠く望むと請負師《うけおいし》の形であったりする。
 女学生やバスガアルの帽子を見るに、何ゆえか素晴らしく大きなもので、殊《こと》に前後へ間延びしている。師直《もろなお》が冠《かぶ》る帽子の如く、赤垣源蔵《あかがきげんぞう》のまんじゅう笠《がさ》でもある。
 一体、何が中に入っているかと思って覗《のぞ》いて見ると、髻《たぶさ》が無残に押込まれてあるのだ。なるほどと思う。女学生らは、自分の毛髪の入れ場所に悩んでいるのだろう。
 今や若き男たちは、ネクタイの新柄を選びパンタロンの縞柄《しまがら》について考え、帽子に好みの会社を発見しつつあるが、婦人の洋装に至っては、まだまだ夏はアッパッパに毛の生《は》えたもの多く、冬は腰がひえてかないまへんという関係やら、家では靴をぬぎ畳の上へ坐する風習と、暖房装置がこたつ[#「こたつ」に傍点]であったりするために、あまり多く見受けない。しかし、たまたま、驚くべき中河内《なかかわち》郡あたりのカルメンといった風の女性の散歩を見ることがあるが、そんな場合、東西屋《とうざいや》の出現の如くうるさき人々は眺めている。その点では神戸と阪神沿線に見る
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