どいうものが、随分盛大に行われたものである。田舎の事を私はよく知らないが、大阪の夏といえば、先ずこの夏祭などは、殊に目に立って勇ましくうれしいものの一つであった。盆踊や地蔵祭なども市中いたる処に催おされたものである。ちょっとした空地《あきち》さえあれば、賑《にぎ》やかな囃子《はやし》につれて町内の男女は団扇《うちわ》を持ってぐるぐると踊り廻っていたものだった。これは米騒動よりも優美なものであった。
大体、大阪の夏は随分暑いと思う。東京は夜になれば、何んとなく冷気を覚えるが大阪は夜も昼も暑い。この暑くてながい夏の退屈を忘れるためにも、この祭礼事は頗《すこぶ》るいい思付きである。だがこれはもともと古人の発明にかかり、神様を主とした催し物であるから、その後非常な勢いで変化を来たした。現代の若い者にとっては、どうも多少折合のつかない催し物となって来たようだ。その上、風俗上の取締りも厳しいために、世の中全体もこの祭礼をよい加減に取扱う傾向を生じて来た。従って最近、大阪の夏祭も全く衰微してしまった様子である。
夏の祭礼のみならず、正月の儀式さえも今は一枚の年賀郵便で片づけ、あとは私の如く寝ころ
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