たのかわからなかった。
 私がもし日常無関係であって何の知識も持たないところの、例えば株券でも買おうと思った場合誰にも相談せずに、私の自信によってなるべく株券の図案の面白くて美しい気に入った奴ばかりを集めて金庫へしまい込んで、私はそれで安心していられるかどうか、まだ本当に買ってみたことがないからはっきりしたことはいえない。
 ともかく展覧会開催中はしばしばかかる案内屋で多忙である。
 これも致し方がないことであるが、私は時々トーマスクックやプレイガイドというふうに本当に信用出来る案内屋が出来たら客も画家も助かることかと考える。もちろん日本画には昔からそんな組織は整頓しているらしいが、しかし案内屋、宿引の人格を鑑定することは絵の鑑賞よりも厄介かも知れない。

   祭礼記

 甚《はなは》だ勝手な申分であるが、私は正月の元旦といえども、ふだん着のまま寝ころんでいたりして、常《つね》のままな顔がしていたいのである。
 しかしながら、世の中全体の人たちが、私の如く常の顔でころがっていてくれても面白くない。世の中はなるべく鹿爪《しかつめ》らしく儀式張ったり騒ぎ廻ってくれる方が、見ていて大変に変
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