昔から申されています、これは今の二〇世紀において一向変わらないのです、何もかもが進歩するから、ついでにせめて一年間位さきは見当のつく機械でも出来たら便利だと思いますが、しかしハッキリと見えてはまた大いに事面倒となるかも知れないでしょう。一寸さきだけは、決して人間にもらさないのはさすが神様の仕事であります。
 八卦やいろいろの占い、四柱推命などいうものがありまして、一寸さきを覗かせるようなことをいってくれます。
 人はせめて嘘でもいいから一寸さきは覗いてみたいものです。別して苦しい時にことに覗きたがります。そして八卦見の家ののれんをくぐります。
 一寸さきから何か出るかということは怖ろしいことだが、これが故に面白いのでしょう。相場やトランプや、博奕が面白いのも、一寸さきの運勢の興味でないかと思います。
 一枚の絵を仕上げるのもその通り、一寸さき一筆さきは暗であります。その絵がどんなに仕上がるやらわからない、そこに深い興味があります。この絵は駄目と初めにちゃんとわかったらたまりません。いくら自分は拙くとも何でもああして、こうしてと、思い疲れて一筆ずつ暗から暗を辿るわけなのです。そして終点は
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