ブルでまた合理的だと存じます。やがてそのような時が来ることを望みます。
私のために、私のものをのせる雑誌を世話してみて下さるそうでありがたく存じます。無理にできなくてもいいのです。できれば悦びますけれど、艶子にはあなたのおっしゃるごとく習作のために努力させましょう。本人もそういって出すのを控えているのです。謙さんのお手紙にどこかに発表してみないかといってあったものですから、ちょっとその気になりかけただけです。「臆病にされた女」はたぶん庄原から送るでしょう。そういっていましたから。あの子も普通の結婚のできかねる悲劇的な性格を持っていますので、将来の運命を心配しています。しかし心配すれば限りがありませんから一日一日を勤勉に正しく送らせるほかはありません。私と二人で、艶子が炊事を受け持って家持ちをして東京で暮らせばいいのですが、費用を父が出してくれません。労働してお金を儲けるかいしょはなし、艶子も困っているようです。
私は社会的に無力を感じます。あなたの境遇に私がもしいたら、とてもあなただけの仕事と勉強とをつづける力はあるまいと思います。あなたはほんとに力づよくすべてのものを失わないで運
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