青春の息の痕
倉田百三

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)寂寥《せきりょう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)何日|頃《ごろ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「耒+禺」、第3水準1−90−38]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)さまざまな 〔ungu:nstig〕 な境遇
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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 序


 これは私が大正三年秋二十二歳の時一高を退学してから、主として、二十七歳の時「出家とその弟子」を世に問うまで、青春の数年間、孤独の間に病を養いつつ、宗教的思索に沈みかつ燃えていた時代に、やはり一高時代のクラスメートで、大学卒業前後の向上期にありし久保正夫君および久保謙君に宛てて書き送った手紙を編み集めたものである。
 両君とも一通も失わずに保存していて下さった。
 もとよりこれ
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