は餓鬼《がき》のように暮らしてきた。どうして生きてきたか自分にもわからない。すべては困苦と欠乏と孤独と、そして堪えられない侮辱《ぶじょく》だった。
有王 ここでお目にかかろうとは!
俊寛 夢だ! 悪い、長い夢だ。
有王 今生《こんじょう》でふたたびお目にかかれるとは。あゝありがたい。
俊寛 この変わりはてたあさましい姿《すがた》をあわれんでくれ。
有王 ご主人様、もはやご安心なさいませ、私がまいりました。あなたの手足のように忠実な有王めでございます。
俊寛 (有王を抱《だ》きすすりなく)
有王 私の心は昔と寸分《すんぶん》変わりませぬ。あなたが都《みやこ》をおたちなされてから、苦しい長い日がつづきました。あゝ長い長い日が、わたしはどんなにあなたのことをお案じ申したか、先年|鬼界《きかい》が島の流人《るにん》たちがきょうは都へ上ると聞いた時、私は夢かとよろこんで取るものもとりあえず鳥羽《とば》までまいりましたけれども、康頼殿と成経殿の輿《こし》は帰ったけれども、あなた様は一人鬼界が島に取り残りなされたと聞いた時、私は絶えいるばかりに悲しみました。それから七年の間あなたの赦免《しゃめん》の
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