終わり]
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俊寛 (おずおずと漁夫のそばに近寄る)
漁夫一 (気味悪そうに俊寛を見る。網をあげ、捕えたる魚を※[#「土へん+累」、311−8]の中に入れ、再び網を打つ)
俊寛 (※[#「土へん+累」、311−9]の中をのぞきこむ。何かいいかけて躊躇《ちゅうちょ》す。やがて思いきりたるごとく)この魚をわしの硫黄《いおう》と換《か》えてくれまいか。
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ふところより硫黄の塊《かたまり》を出す。
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漁夫一 (俊寛を軽蔑《けいべつ》したように見る)わしはそんなものはいらない。(網を引き上げる)
俊寛 そうであろうが二、三尾でいいから換えてくれまいか。
漁夫一 九州から硫黄を買いに来る商人《あきんど》に持ってゆくがいい。
俊寛 いつくるかわからない。わしは飢《う》えているのだから。
漁夫一 それっぱかしの硫黄をもらったってしかたがないや。
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俊寛をさけるごとく、少し離れた所に行き網を打つ。

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