す。わたしゆえに他人がふしあわせになりました。わたしは自分の存在を呪《のろ》います。
親鸞 おゝおそろしい。われとわが身を呪うとは、お前自らを祝しておくれ。悪魔が悪いのだ。お前は仏様の姿に似せてつくられた仏の子じゃ。
善鸞 もったいない。わたしは多くの罪をかさねました。
親鸞 その罪は億劫《おっこう》の昔|阿弥陀《あみだ》様が先に償うてくだされた……ゆるされているのじゃ、ゆるされているのじゃ。(声細くなりとぎれる。侍医|眉《まゆ》をひそめる)わしはもうこの世を去る……(細けれどしっかりと)お前は仏様を信じるか。
善鸞 …………
親鸞 お慈悲を拒んでくれるな。信じると言ってくれ……わしの魂が天に返る日に安心をあたえてくれ……
善鸞 (魂の苦悶《くもん》のためにまっさおになる)
親鸞 ただ受け取りさえすればよいのじゃ。
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一座緊張する。勝信は顔青ざめ、目を火のごとくにして善鸞を見ている。
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善鸞 (くちびるの筋が苦しげに痙攣《けいれん》する。何か言いかけてためらう。ついに絶望的に)わたしの浅ましさ…
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