…わかりません……きめられません。(前に伏す。勝信の顔ま白になる)
親鸞 おゝ。(目をつむる)
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一座動揺する。
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侍医 どなた様も、今が御臨終でございますぞ。
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深い、内面の動揺その極に達する。されど森《しん》として声を立つるものなし。弟子衆《でししゅう》枕《まくら》もとに寄る。代わる代わる親鸞のくちびるをしめす。
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親鸞 (かすかにくちびるを動かす。苦悶《くもん》の表情顔に表わる。やがてその表情は次第に穏やかになり、ついにひとつの静かなる、恵まれたるもののみの持つ平和なる表情にかわる。小さけれどたしかなる声にて)それでよいのじゃ。みな助かっているのじゃ……善《よ》い、調和した世界じゃ。(この世ならぬ美しさ顔に輝きわたる)おゝ平和! もっとも遠い、もっとも内の。なむあみだぶつ。
侍医 もはやこときれあそばしました。
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尊き感動。一座水を打ちたるごとく静かになる。一同合掌す。南無阿弥
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