よう。お師匠様もお心ではお気にかかりあそばしていらっしゃるのにちがいないのだから。
勝信 さようでございますとも。私もいっしょにお願い申しましょう。(向こうを見る)おやお輿《かご》が参りました。
唯円 お見舞いのかただろう。お出迎え申さなくては。
[#ここから5字下げ]
唯円、勝信門口に立ち迎える。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
家来二人 (輿に従うて登場。輿止まる)主人|橘基員《たちばなのもとかず》。お見舞いのため参上つかまつりました。
唯円 よくこそお越しくだされました。昨日は御殿医様をわざわざおつかわしくだされまして、まことにありがとうございました。どうぞお通りくださいませ。御案内申し上げます。
[#ここから5字下げ]
唯円、勝信先に立ちて退場。侍二人|輿《かご》に付き添いて門に入る。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から4字上げ]――黒幕――
第二場
[#ここから3字下げ]
親鸞聖人病室。
正面に仏壇。寝床の後ろには、古雅な山水の絵の描かれた屏風《びょうぶ》が立て回してある。枕《まくら》もとに脇息《きょうそく》と小さな机
前へ
次へ
全275ページ中245ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
倉田 百三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング