。机の上に経書、絵本など二、三冊置いてある。薬壺《くすりつぼ》、湯飲み等を載せた盆。その上に白絹の布が掩《おお》うてある。すべて品よき装飾。襖《ふすま》の模様もしっとりとした花や鳥など。回り縁にて隣の宿直《とのい》の部屋《へや》に通ず。庭には秋草。短冊《たんざく》、色紙《しきし》等のはりまぜの二枚屏風の陰に、薬を煎《せん》じる土瓶《どびん》をかけた火鉢《ひばち》。金だらい、水びん等あり。
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親鸞 (鶴《つる》のごとくやせている。白い、厚い寝巻を着ている。やや身を起こして脇息にもたれる)そのさきをもっと読んでおくれ。
勝信 (手紙を持ちて)これを読むと法然聖人《ほうねんしょうにん》様がどのように、母様思いであったかがわかりますのね。(手紙を読みつづける)けさまでははなやかに、いろかもふかくみだれ髪の、まゆずみにおい、たぐいなきその人も、ゆうべには野べのけむりとたちまちに、よりそう人も遠ざかり、ひとりかばねをさらす。ただただ世のなかは、あさがおのはかなきわざにたわぶれて、きょうやあすやとうちくれて、何か菩提《ぼだい》の
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