の心にでも聖《きよ》さはあります。純な恋をすることはできます。どのような人かわかりもしないのに、初めから悪いものと疑うのはいけないと思います。一つの事に一生懸命になるときには人間はまじめになるのです。私は最前からあなたがたのお話を聞いていて、あなたがたが女に対してまじめな考えを持っていらっしゃらないのを感じました。そのような考えが女を悪くさせたのではありますまいか。
僧三 あなたは私たちに説教する気ですか。(冷笑する)
唯円 (逆上する)あなたがたは私を愛してくださらないのです。私は初めから冷たい気に触れて、心が堅くなるような気がしました。愛してはくださらないのです。(涙ぐむ)最前あなたが舌をべろりとおっしゃった時にあなたの口もとには卑しい表情が漂いました。あの女が私はよごれているといって涙をこぼして手を合わせて私にすまないといってわびた時には聖《きよ》い感じがあらわれました。いったいにこのごろあの女は信心深くなりました。私は時々あの女から純な宗教的な感じのひらめきに打たれてありがたいとさえ思うているのです。
僧二 あなたは仏様のかわりにあの女を拝んだらいいでしょう。
唯円 (立ち上が
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