ては唯円殿のおためでありません。だいいち法の汚れになります。(声を強くする)唯円殿、あなたはきょう木屋町の松《まつ》の家《や》にいらしたのでしょう。
僧二 そしてかえでとやら申す遊《あそ》び女《め》のところに。
唯円 …………
僧三 何もかもわかっているのです。六角堂に参詣するとか、黒谷《くろだに》様に墓参のためとか言って、しげしげと外出《そとで》あそばしたのは皆その女と逢引《あいびき》するためだったのでしょう。
唯円 すみません。すみません。
僧二 私はとくからあなたのそぶりを怪しいと思っていたのです。いや、今はもうお弟子衆《でししゅう》でそれに気のつかぬものはありません。三人集まればあなたの事を話しています。
僧三 若いお弟子たちはうらやましがりますからな。私たちみたような年寄りはよろしいけれど。このあいだも控えの間を通っていたら、ふと耳にしたのですが、唯円殿はお師匠様の(変に力を入れる)秘蔵弟子で、美しい女には思われるし、果報者だと申していました。
僧二 (からかうように)あなたの事を陰では墨染めの少将と申しています。
唯円 (くちびるをかむ)おなぶりあそばすのですか?
僧二 い
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