うと言ってやったのよ。そしておかあ[#「かあ」に傍点]さんのおこっている事や、勤めをだいじにせねばならない事を言ってきかせてやったのよ。そしたら、あの子の口上が憎らしいではありませんか。私は悪い事をしているのではありません。ねえさんなどとは考えが少し違うのだから、いいから、ほっといてください、とこうなのでしょう。
浅香 そんな事を言いましたかえ。帰ったら私がよく言い聞かせてやりますから、どうぞ気を悪くなさらないで、堪忍《かんにん》してやってくださいね。元来はおとなしい性質なのですからね。
村萩 あんまり私たちを軽く見ていますからね。
浅香 あの子もこのごろは思い詰めて、気が立っているのです。あのように言ったのもよくよく思い余ったのでしょうから。
村萩 あなたはかえでさんに甘すぎますよ。おかあ[#「かあ」に傍点]さんもこのあいだ言っていました。かえでの気の高いのは、浅香の仕込みだって。
浅香 そんな事はありませんわ。
村萩 なにしろ少しあなたから気をつけたほうがよくてよ。皆そう言っているのですからね。優しくするとつけあがりますからね。
浅香 気をつけましょう。堪忍してやってください。(涙
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