くまで。
唯円 私は恋の事を思うと死にたくなくなります。いつまでも生きていたくなります。
かえで でも人は皆死ぬのね。このたくさんな墓場を御覧あそばせ。
唯円 私は恋をしだしてから、変に死の事が気になりだしました。(ひとり言のごとく)恋と運命と死と、皆どこかに通じた永遠な気持ちがあるような気がする。(考える)もしかすると私は若死にかもしれない。
かえで どうして?
唯円 私は病身ですもの。
かえで そんな事があるものですか。
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両人ちょっと沈黙。
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かえで もうお日様が楠《くす》の木にかかりました。(立ち上がる)
唯円 あゝしかたがない。(立ち上がる)
かえで では帰りますわ。
唯円 今度はいつ。
かえで きめられませんわ。あとでお手紙で知らせますわ。
唯円 できるだけ早く。
かえで えゝ。ほんとうに手紙を取りに来てくださる?
唯円 きっと行きます。口笛を吹きますからね。
かえで これからお寺へ帰ってどうなさるの。
唯円 晩のお勤めに仏様を拝むのです。
かえで あゝ。私はまた歌をうたわねばならぬ
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