のだろう。(ため息をつく。思い切って)しょうがない。ではさようなら。
唯円 さようなら。
[#ここから5字下げ]
両人抱き合う、やがて離れる。かえで叢《くさむら》の陰に退場。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
唯円 (ぼんやりたたずむ、やがて木の株に腰をおろす)おゝさびしいさびしい。(頭を両ひじでささえて沈黙)
[#ここで字下げ終わり]
[#地から4字上げ]――黒幕――

      第二場

[#ここから3字下げ]
浅香居間
やや古代めいた装飾。小さな仏壇、お灯明があがっている。衣桁《いこう》に着物が掛けてある。壁に三味線が二丁、一丁には袋がかけてある。火のともった行灯《あんどん》。鏡台と火鉢《ひばち》がある。川に面して欄干あり。
[#ここから5字下げ]
人物 かえで 浅香《あさか》(遊女) 村萩《むらはぎ》(遊女) 墨野《すみの》(遊女) 仲居
時  同じ日の宵《よい》

浅香、村萩、墨野、花合わせをしている。しばらく黙って札を引いている。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
村萩 おやもみじ。気をつけないと
前へ 次へ
全275ページ中171ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
倉田 百三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング