こから改行天付き、折り返して1字下げ]
遊女一 こちらにいらっしゃるようよ。
[#ここから5字下げ]
善鸞、浅香とかえでと太鼓持ちと仲居を従えて登場。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
太鼓持ち これはしたり。おのおのがたにはここに逃げ込んでいられたか。
善鸞 私たちをまいて[#「まいて」に傍点]、ここに来て内緒でよい事をしたのかい。はゝゝゝ。
太鼓持ち ひそひそ話はひらに御容赦。
遊女一 (善鸞に)あなたこそおたのしみ。
遊女二 私たちがいてはお邪魔と思って気をきかしてあげたのですわ。
善鸞 これは恐れ入ったな。
太鼓持ち 恐れ入りやのとうさい[#「とうさい」に傍点]坊主。
善鸞 坊主とはひどいな。はゝゝゝ。
太鼓持ち これはとんだ失礼。(自分の頭を扇子で打つ)
[#ここから5字下げ]
一同笑う。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
善鸞 黙って逃げた罰にもっとお酒を飲ましてやるぞ。おい酒を持って来い。
仲居 はいかしこまりました。(行こうとする)
浅香 もうお酒はおよしあそばせ。おからだに毒です。ゆうべから飲
前へ
次へ
全275ページ中106ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
倉田 百三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング