っくりするほど切れ長の眼は、妖艶|婀娜《あだ》たるものであった。※[#「白+光」、204−4]々《こうこう》という形容詞が、そっくりそのままあてはまるような、光沢を持った純白な肌は、見る人の眼をクラクラさせた。
「妾アつくづく厭になったよ」くり返して彼女はこういった。
「いや俺も驚いた」
こう合い槌を打ったのは、彼女にとっては旦那でもあり、且つは嬉しい恋人でもある、魚屋の和泉屋《いずみや》次郎吉であった。唐棧《とうざん》ずくめの小粋ななり、色の浅黒い眼の鋭い、口もとのしまった好男子で、年はそちこち四十でもあろうか、小作りの体は敏捷らしく、五分の隙もない人品であったが、座布団の上へ腹這いになり、莨《たばこ》をプカプカ吹かしていた。
「つぶてでなし手裏剣でなし、なんでいったいぶち抜いたものかな。看板と板壁とを突き通すなんて、ほんとにこいつ素晴らしい芸だ」
「そんなことどうでもよござんすよ。それより、妾|癪《しゃく》にさわるのは、選《よ》りに選って妾の顔へ、あんな大きな穴をあけて……」
「ナーニそれとて曰《いわ》くはないのさ。あんまりお前が綺麗なので、それでいたずらをしたってやつさ」
「ヘ
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