いった方が、かえって当を得るようだ。美術的高い鼻、強い意志を現わした、固く結ばれた大きな口……顔全体に威厳があった。着ている衣裳も美術的であった。しかしそれは日本服ではなく、阿蘭陀風《オランダふう》の服であった。それも船員の服らしく、袖口と襟とに見るも瞬《まば》ゆい、金モールの飾りがついていた。手には変った特色もない。ただ手首がいかにも太く、そうして指がいかにも長く、船頭の手などに見るような、握力の強そうな手であった。さて最後に足であるが、足は最も特色的であった。というのは右の足が、膝の関節《つけね》からなくなっているので、つまり気の毒な跛足《びっこ》なのであった。でズボンも右の分は、左の分よりは短かかった。
 彼は長椅子に腰かけていた。その長椅子も日本の物ではなく、やはりオランダかイスパニヤか、その辺の物に相違なかった。長椅子には毛皮がかけられていた。それは見事な虎の皮で、玻璃製《はりせい》の義眼が燈火に反射し、キラキラ光る有様は、生ける虎の眼そっくりであった。毛皮の上には短銃があった。それとて日本の種子ヶ島ではなく、やはり舶来の品らしかった。
 部屋はかなり広かった。そうして老人を
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