配そうである。
「だが大概は大丈夫だろう。若い娘のことであり、父に死なれたということではあり。それにもう今日も夜になった、町など歩いてはいないだろう、大方は家にいるだろう」
 で一同は歩いて行く。
 どうやら話の様子によれば娘の民弥に用があって、民弥の家へ行くのらしい。
 しかし肝心のその民弥が、家にいないことは確かである。桐兵衛という人買の家に、捕らえられている事は確かである。
 一同は山を下って行く。ズンズンズンズン歩いて行く。
 誰が民弥を手に入れるだろう?
 うまく猿若が助け出すかしら?
 遠国廻りの人買共が、それより先に買い取るだろうか?
 それとも浮木の一団が、民弥の居場所を探し出すかしら?
 とにかく一人の民弥を挿んで、三方から三通の人達が、競争をしているのであった。
 ところで肝心のその民弥であるが、この頃どうしていただろう。
 恐ろしい人買の桐兵衛の家の、真暗な二階の一室に厳重に監禁されていた。
 雨戸がビッシリと閉ざされている。出入口も厳重に閉ざされている。逃げ出すことは絶対に出来ない。その上両手は縛られている。開けようとしても開けることが出来ない。
 彼女は格闘し
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