つを棒で繋《つな》いだようなもので、瓢《ふくべ》と云った方がよいかも知れない。
 クルクルクルクルと空で舞う。
 と、何んという不思議だろう、冷泉華子の懐中から、キリキリ舞い立ったものがある。それは永生の蝶であった。
「おっ」
 と叫んだは冷泉華子で、肩に掛けていた袋よう[#「よう」に傍点]のものを、ドッサリと地上へ投げ付けた。と、その背中がムクムクと動き、パックリ口をあけたかと思うと、ヒラヒラヒラヒラと気を吐いた。
 もうその頃には車輪よう[#「よう」に傍点]のものは、空から地の上へ落ちていたが、袋よう[#「よう」に傍点]のものと向かい合い、独楽鼠《こまねずみ》のように廻わり出した。
 その中間の虚空では、蝶がグルグルと舞っている。
 どっちへ行くことも出来ないと見える。飛び去ることも出来ないと見える。
 それを眺めている女方術師の、北王子妙子と冷泉華子とは、身動き一つしようとさえしない。
 まさに変わった光景と云えよう。
 だがそういう光景に対し、何んのかかわるところもなく、混戦は引き続いて行われていた。
 と、その混戦の場を抜け、一人の女が彷徨《さまよ》っていた。
 気絶から醒め
前へ 次へ
全229ページ中184ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
国枝 史郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング