血汐が着いている。たくし上げられた袖から抽《ぬ》きでて、二の腕まで腕が現われている。それにも血汐が着いている。手に握ったは白刃である。中段に構えて押し進む。
廻わる群像! 進む群像! 指揮をして走って行く弁天松代!
タッ、タッ、タッ、タッと押し進む。
一ツ橋家の武士たちが、胆を潰したのは当然と云えよう。全くこんな戦術は、かつて見たことも聞いたこともなかった。
切り込んで行こうにも行きようがない。取り抑えようにも抑えようがない。迂濶《うかつ》に切り込んで行ったが最後、六本の太刀の幾本かが、同時に落ち下るに相違ない。また抑えようとしたところで、群像の行動は素ばしっこい[#「ばしっこい」に傍点]、容易に抑えられるものではない。
多勢を頼んで遮ってはみたが、進みもならず一様に、後へ後へと引くばかりであった。
七福神組は進んで行く。一ツ橋勢は引き退く。
結果はどうなることだろう?
そうは云っても一ツ橋家の武士にも、全然勇士がないことはなかった。果然、一人、月光を刎ね、猛然と群像へ切り込んだ。だがその結果は無残であった。それと見て取った七福神組は、一斉に刀を振り上げたが、廻わりなが
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