か!」こう云ったのは松代である。
「さあさあみんないつもの手だ! 卍《まんじ》廻わりに押し廻わり、突き破って行こう、切り抜けて行こう!」
「合点」と云ったのは六人の部下で、で、グルグルと廻わり出した。
卍廻わりとは何んだろう? 彼ら独特の戦術なのであった。手組輿《てくみごし》の上へ桔梗様を乗せ、群像のように塊《かた》まった。七福神組六人が、塊まったままで廻わるのであった。まず左へグルグルと廻わる。それから右へグルグルと廻わる。それからまたも左へ廻わり、それからまたも右へ廻わる。これを無限に繰り返すのである。そうしてそのように廻わりながら、先へ先へと進むのである。廻わる間も進む間も、右手の太刀を前方へ突き出し、それを上下へシタシタと戦《そよ》がせ、敵を寄せ付けまいとするのである。
ただし頭《かしら》の松代ばかりは、一団から離れて先頭に立ち、「左へお廻わり! 右へお廻わり!」こんなように指揮するのである。
今やグルグル廻わり出した。
何という変わった見物《みもの》だろう?
月が上から射している。で、白刃がキラキラする。輿の上にいる桔梗様は、蒼白い顔を月光に曝らし、廻わされるままに
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